プレボテラ

プレボテラ細菌とは。コロナとの関係は?肺炎と抗菌薬などについて

プレボテラ属細菌はどこにいて何をしているのか

コロナで急に注目を集めるようになったプレボテラ属細菌。普段このプレボテラ属細菌はどこにいて何をしているのでしょうか?

プレボテラ属細菌がいるのは腸内

プレボテラ細菌はいわゆる腸内細菌の一つです。人間の腸内にいて、入ってきた食べ物を分解、消化、吸収する際に活躍しているということです。ではプレボテラ細菌が得意としている分解対象は何でしょうか。これはどうやら炭水化物、それも食物繊維であるようです。炭水化物その中でも難消化性でんぷんや食物繊維の多いものを分解する力が強いのがプレボテラ属細菌なんです。大麦の健康効果はいろんなところで言われています。小麦のようにグルテンを含んでいない、含んでいても少量で、大麦を食べると糖代謝が改善したといった報告をちらほらと見ます。これは、大麦を食べて糖代謝が改善した(要は血糖値が異常に上昇しなくなった)という人の腸内を調べたところ、プレボテラ属細菌が、糖代謝が改善しなかった人よりも有意に多かったということです。大麦とは少し違いますが、えん麦から作ったオートミールもほぼ同じ感じです。

 

 セカンドミール効果との関連性についての指摘もあります。セカンドミール効果とは最初に食べた食事が次の食事による血糖値の上昇に影響を及ぼすという現象です。このセカンドミール効果は、1982年にカナダ・トロント大学ジェンキンス博士によって発表されました。

もう少し言ってしまうと、要は食物繊維などを多く含む、GI値が低いものを最初の食事(これをセカンドミールに対してファーストミールと呼びます)で食べると次の食事における血糖値の上昇も低く抑えられる、ということです。

GI値とはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指数のこと。

そして大麦も食物繊維が高い食べ物としてよく知られており、その大麦を分解してくれているのがプレボテラ属細菌ということです。

プレボテラ属細菌は不要なのか

しかし、このプレボテラ属細菌ですが、コロナを増殖させるという報告があります。そうすると出てくる考えとしては、ピロリ菌と同じく除去するという考え方です。抗生物質「アジスロマイシン」を使ってプレボテラ属細菌を除去してしまえば、ワクチンの開発は必要ない。そんな声も出てきそうです。ちなみにピロリ菌は胃癌との関係性をWHOが指摘してます。

 

さて、プレボテラ属細菌は除去したほうがいいのか、それとも糖代謝に重要な腸内細菌として共生したほうがいいのか。継続して調べていきたいと思います。